夏の風物詩 “ゼリーと寒天”の調味パーセント
こんにちは。「給食計画・実務論実習Ⅰ」担当の神田・佐藤です。
あっという間に7月が終わりになりますね。短期大学生は例年でしたら試験期間に入るところですが、今年はあと数回分の授業が残っています。
6/13、6/30、7/17と続けて実習の様子をお伝えしてきましたが、本授業の報告は今回で最後になります。
- 実習班
大量調理の方法と衛生管理を中心に学ぶ実習班では、ゼラチンを使った「杏仁ゼリー」と寒天を使った「杏仁豆腐」を作りました。
※ゼラチンを使っても杏仁豆腐でOKですが、授業ではわかりやすくするために別々の名前にしました。
給食では手間(作りやすさ)と費用などの影響で、ゼリーや寒天は1年に数回は提供されるデザートです。
はじめにゼラチンを膨潤させます。吸湿しやすい杏仁霜は、砂糖と混ぜておくとダマにならず溶けやすくなります。ゼラチンは沸騰させると固まりにくくなってしまうので、火加減に気を付けました。一方の寒天は、水と合わせて沸騰させながらしっかり煮溶かすことが大切です。今回も中心温度75℃以上、1分以上を確認しました。
器に分けた後、粗熱をとっているところです。ゼラチンは寒天に比べて固まる温度が低いので、氷水で粗熱をとりました。
出来上がりは、右側の画像は左がゼラチン、右が寒天です。キウイフルーツソースも2種類作りました。
学生にどちらが好きか聞いてみたところ、やや寒天を好んだ学生が多かったです。
●演習班
栄養士には欠かせない“調味パーセント”を学びました。調味パーセントとは、「材料に対する調味料の割合」です。味の再現や、他の人への伝達が可能となり、調理員の違いによる味のばらつきを少なくすることができます。100人分になっても、1000人分になっても、考え方は同じです。
今回の杏仁ゼリーには、合計液量(牛乳と水)の2.5%ゼラチンで作りました。給食では一般に2~3%で作ります。一方、寒天は0.5%と非常に少ない分量を使いました。2つの調味パーセントを間違えると大変なことが起こります。
【演習4】以外では、汁物の塩分濃度や唐揚げの給油率などについても計算してもらいました。学生は毎週、電卓をもって授業に出席しています。
計算は得意・不得意があるものですが、回数を重ねることでだんだんと理解が深まっているように思います。
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ゼラチンと寒天の特徴については、本学で「製菓・製パン実習Ⅰ」を教えているお菓子・料理研究家の森崎繭香先生がとても分かりやすく解説をされている記事がありますので、是非ご覧ください。
https://dancyu.jp/recipe/2019_00001963.html
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本学の献立作成に携わる教員で執筆した栄養価計算に関する論文が『栄養学雑誌』に掲載されました。
栄養価計算にご興味のある方は、ご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/78/2/78_78/_article/-char/ja